イングリッシュローズコテージの小さなお庭


ローズガーデンを夢見て,延々と花壇作り
       1997年 8月


(ダブルに連続アーチを設置したこちら側から奥のホワイトガーデンを覗くと、額縁に入
った絵のように素適で、嬉しくなってしまいました.翌年の5月の写真です。)

 トレリスを設置した東側の薔薇を植えるための植え床の準備も一つ,又一つと準備が
できてゆき,最初の植え床を作ってから2週間たつ間に、雨も何度か降り、いよいよ薔薇
たちを地面に下ろす日が来ました.引越ししてきたばかりの頃,夜,色鉛筆で何度もスケ
ッチして、色のグラデーションを考えた究極のレイアウト(と私が勝手に思っただけです
が)に沿って,薔薇たちを1本ずつ,鉢から抜き,予め決めた所定の位置の植え床に下
ろしてゆきます.

  前列の手前からまず,優しいレモン色のイングリッシュローズのシャルロット、その隣
は可愛らしいピンクの女の子,キャサリン・モーレイ,そして大好きなヘリテージ,そし
て,ちょっと全体の色を引き締めるため、味付けに深いワインがかったアンティークレッ
ドのザ・プリンスが入り、その隣にライラックがかった素適なヴィクトリアン・ピンクの薔
薇,チャールズ・レニー・マッキントッシュ、と続きます。そして、香水のように芳醇な気持
ちの良い香りを放つアプリコットピンクの美しい薔薇、イブリン、(ちょうどこのあたりにベ
ンチを置きたいので、ベンチで過ごす時に香りを楽しめるように) そしてイブリンの隣、
前列ボーダーの最後に入れたのは、やはりこの世のものと思えないほど美しい、優しい
ピンクを含んだアイボリーベージュのセント・セシリアです.香りもとても素適です.
薔薇たちを1本ずづ地面に下ろした後、元気に育つように、の願いを込めて、上から牛
糞でたっぷりとマルチングします.(土壌の改良に役立つだけでなく,水ハネによる黒点
病を予防する為にも良いので)

                (翌年の5月,デルフィと共に可愛らし
いカラーハーモニーで咲いた左側のローズボーダーです.ガーデンの奥から撮影したの
で,手前からセント・セシリア,イブリン,チャールズ...,です.)
 
 後列です。 まず、pekoちゃんの大好きな薔薇,ピーチピンクのとても可愛らしくて香り
の強いハイブリッド・ムスク系のオールドローズ,フェリシア。 隣にはアプリコットイエロ
ーの芳しいジェーン・オースティン、(ちょうど前列のレモンイエローの爽やかな薔薇,シャ
ルロットの斜め後ろになります.その隣はベビーピンクのイングリッシュローズ、セント・
スウィザン、後列の中央部分に大きく枝を広げて育つよう,左右の間隔を少し広めに取
って,ブルボンローズのとってもヴィクトリアンな雰囲気をもったオールドローズ,ルイー
ズ・オディエ。そして、はっきりした濃い目のヴィクトリアン・ピンクのガートルード・ジェイ
キル。前列のイブリン同様,大変濃厚な芳香をもつ芳しい薔薇で,薔薇らしさにあふれた
香りなので,ベンチに座ったら,前列に植わっているティー系の爽やかな芳香を持つイブ
リンの香りと共に2種類の香りのハーモニーを楽しめそうです.さらにガートルード・ジェイ
キルの隣に2本目のヘリテージを植えて,後列はここまででおしまい。 ヘリテージは弓
状にしなやかに伸びて、枝先にスプレーにたわわに花をつけるので,後ろの方から伸び
てきて,ちょうどベンチに座る人の顔のあたりににょっきりとお顔をのぞかせて、レモンの
混じった爽やかでフルーティーな香りを届けてくれそうです.
来年はベンチでそんな優雅な日を過ごせるのかしらと夢見ながら,元気に大きく育って
ね!と気持ちを込めて,薔薇たちを1本ずつ、花壇に下ろしてゆきます。

       

  私が薔薇たちを植えている間、pekoちゃんはアーチを組み立てて設置しています.小
さなお庭でも散策する気分が味わえるように,ベランダの階段を下りたところの前方に,
そのままアーチを2本,1mくらい間隔をあけてダブルで設置して,つる薔薇のトンネルに
すると素適なのではないかという,pekoちゃんからの提案です.それはとっても素適なア
イディアね。というわけで,ガーデンセンターを幾つかチェックして、トンネルをくぐった感
じになれるような,そして、アーチの内側にも、両側に薔薇以外に、チューリップや水仙
などの球根をたくさん植えたいから,歩くスペース+左右の花壇スペースも中に作れるよ
うな広めの幅のアーチを探し,結局、一番シンプルな鉄製の白いアーチを2本,購入しま
した.(pekoちゃんは木製のアーチにとても憧れていたのですが、日本の湿度の高さを考
えると,木だと傷みやすく,つる薔薇を絡めると,後日手入れでオイルステインを塗り直
したくてもできないので,いろいろ考えて,結局,実用性が優先となりました。)

   (ベランダ正面から見た所)

                  
          (アーチを出た向こう側に原宿の園芸屋さんで見つけた八角テーブルと
ベンチを置いたら,ちょっと雰囲気が出てきました.)

        (翌年の4月に奥の雑木林から撮影
 
  アーチが立ち上がると,庭が少し立体的になり,ちょっと雰囲気が出て,嬉しくて何度
もくぐってみました.植えたつる薔薇は手前のアーチには、以前住んでいたアパートで、8
号鉢で育ててきて,毎年土替えしては毎年5月に信じられないくらい,たくさんのピンクの
香りの良い薔薇を咲かせて,私たちを楽しませてくれたスペインの薔薇,スパニッシュ・
ビューティー。別名,マダム・グレゴリー・スタッチェリンともいう,波打つフリルが美しい
薔薇です.奥のアーチにはシルバーピンクの可愛いつる薔薇,ニュードーン。それぞれ,
左右に植え床を準備して,1本づつ入れたので,合計4本です。

                                           
 *  後日,イギリスに憧れるあまり,小さな5号プロポットで求めたハニーサックルもアー
チに絡ませました.(上の写真) それほど広くないスペースにつる薔薇4本と共に皆が絡
まりあってパワフルに成長し,2年後には冬の誘引,剪定ができないほど育ち過ぎて込
み入ってしまい、大変な状態となりました.(その話は又後日に。)
                  
  左側のローズボーダーに続けて、ガーデンの一番奥にホワイトガーデンを作る準備
に移ります.ここは一番日の光が差し込まない場所なので,強健な白薔薇のための植え
床を作ってゆきます.
白薔薇は一番突き当たりの奥の中央部分に、大切に育ててきた大好きな白いつる薔薇
アイスバーグを植えることが決まっています.その少し手前部分の奥行き1m位を花壇に
するために耕し,花壇の左奥のもっとも陽光の差し込まないところに強健種のアルバ・セ
ミプレナ,ブルーグレーがかったリーフのとても美しい清楚なオールドローズを入れるこ
とにします。
                 
            (アルバ・セミプレナの葉は本当に美しいグレイブルーです.)

  その隣にやはり,とても華奢な体に似合わず,頑張り屋さんのイングリッシュローズ、
グラミスキャッスル,2本持っているので前後にずらして2株植えることにします。その右
隣りにボタンアイの美しいオールドローズ,マダム・アルディ、(アルディはいくら丈夫とは
いえ、あまりの日照不足にちょっぴりしか花を付けなくなってしまいました.)
         美しいマダム・アルディ
     (一季咲きのオールドローズには凛とした特別な美しさがあります。)

 そして、おおらかに可憐に咲く,フロリバンダのモダンローズ,エルフ、さらに斜め前に
美しく芳しい強健な白薔薇,マーガレット・メリル(これは植える位置をちょっと失敗しまし
た.斜め後ろのエルフが見えなくなるほど,りりし過ぎる育ち方をしてしまい,たくさんの
刺をもつ太い枝を空高く,ぐんぐん伸ばしては(日の光を求めて,きっと必死に伸びたの
でしょうね)、ビル風が吹き抜けるたびに、そのりりしくたくましすぎる腕(ステム)で,優し
いほっそりとしたエルフを痛めつけてしまう事になったのです.(だいぶ,後日になって,
一番左奥に移植することで、ようやく問題は解決しました.)

 そして、ホワイトガーデンの右端にはフロリバンダのアイスバーグが来て,それぞれの
位置に落ち着き場所を見出しました.ホワイトガーデンも前後に2列のローズボーダーと
なりました.白薔薇たちの後ろ側には右側と左側にそれぞれ以前から植わっている紫陽
花があるので、5月の薔薇のシーズンがフィナーレを迎えると,きっと梅雨空の中,紫陽
花たちが涼しげな色で咲いて,(優しいアンティークピンクに色変わりする素適な紫陽花
です。)私達の目を楽しませてくれるのでしょうか? 来年がとても楽しみです
             
    
    (上は翌年5月のホワイトガーデン、白妙菊や白いゼラニウム,シルバーレース,
ユーカリなど,大好きなグレイッシュリーフの植物も植えて。 薔薇の上穴部分以外の部
分は表面の20cm部分くらいしか耕せてなかった為、石とがれきは取り除いたものの,す
ぐにカチカチの粘土質に戻ってしまい(土壌改良が十分でなかったのです.)、気分ばか
りが先行して,色々植えた子達が、結局元気に力強く根を張って成長できず、ずっと後
になって、再び花壇の大々的な土質改善一大プロジェクトを行う事になったのでした。気
持ちばかりが先行してしまった事にここでも大反省!!でした。)               
                         
          
                 (翌年の6月に咲き続けた紫陽花をテーブルに活けて)

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