English Rose Cottage(イングリッシュローズコテージ)





  ShopをEnglish Rose Cottageと名付けた理由についてお話したくて...

  12年前の6月の薔薇のシーズン、生まれて初めてイギリスを訪れました.
ヒースロー空港に着いて、赤い2階建てのエアバスでロンドンに向かう1時間ほどの行
程、ハイウエーの両側では羊たちがのんびりと草をはみ、地平線が見えそうなくらい、な
だらかに続く牧草地にイギリスに来たことを実感し、異国の地なのになぜか郷愁を覚え
るように感じる懐かしさ.
  数日ロンドンで過ごす間に、今が盛りと甘く芳醇な香りを一面に漂わせながら、まる
でブライダルロープのようにロマンティックにつる薔薇が咲きこぼれるクイーンメアリー・
ローズガーデンで過ごした夢の中のようなひと時。 その後の南のケント州の海辺の小さ
な町からスコットランドまでのカントリーサイドを訪ねる列車とバスの3週間のフリー旅
行.訪れる町々で会う人々はどの方も皆、旅行者に温かく、そしてどこを訪れても、必ず
どんなに小さなパブリックパークでも美しい薔薇が咲きこぼれて、訪れる人を優しく芳し
い香りで迎えてくれました.

  地図にも載っていない小さな名もない公園では、真っ白なつる薔薇のパーゴラの下の
ベンチでおばあさんがレース編みをしながら、時折、訪れる小鳥達を目を細めて見つめ
ては、またレース編みを続け、何かそこだけ時間が止まっているかのような、古き良き時
代にタイムスリップしたような錯覚に陥るほどの美しいシーン..。 日本で忙しい生活を
送っている私たちには1枚の絵を見ているかのような心を洗われる風景に写り、優しく差
し込む陽光と共にまぶたに熱く焼きついて...。 目をつぶると本当に様々なシーンが
思い出され、心がほのぼのしてきます。 訪れた田舎の町や村ではのんびりとあてもなく
お散歩するのが楽しくて...、

  古いファームハウスには時々、何々Cottageとか、何々Houseという風に家主が愛着
を持って名付けた由緒ある看板が掛かっていて、.... あとで調べてみたら本当にた
くさんのお家がそこに住んだ人によって、愛情深く名付けられていて、Cottageだけを見
ても、古いコテージハウスに植えられた薔薇が馥郁と香るロマンティックなRose Cottage
をはじめ、蜂蜜色の石壁につる薔薇と共に以前はシダが茂っていたのかしら? Fern
Cottage, きっと裏のキッチンガーデンに、たわわに実る西洋なしの木があるのだわ!と
楽しい想像ができるPear Tree Cottage, またCheney Cottage, etc. そうした看板や表
札を見るだけでも家族との時間を大切に過ごすイギリスの人のおうちに込めた愛情がふ
つふつと伝わってきます.(特にRose Cottageと名付けられたおうちの何と多いこと! 
イギリスに何件のRose Cottageがあるか、もしまじめに調査したなら、きっとその数の多
さにびっくりしてしまうでしょう!と書いていらしゃっている方がいらっしゃいました。イギリ
ス人は本当に薔薇をこよなく愛していらっしゃる事が感じられますね。)

  それから10年の年月が過ぎ、ようやく2回目のイギリス旅行に行けた幸せな2週間.
このたびはガーデン巡りを中心にカントリーサイドをレンタカーで2週間かけて回り、滞在
は地図にやっと載っているような観光客の来ない、名もない小さな村の可愛らしいお庭
のついたB&Bやゲストハウスを選び...。
訪れた季節は7月.薔薇は終息に向かっていたけれど、どの村を訪れても玄関を這うア
ルベルティーヌ、アルキミスト、ニュードーン等のつる薔薇が精一杯、最後の花を咲か
せ、私たちにロマンティックな想いを味あわせてくれました.(7月のイギリスカントリーで
の美しい夢のような風景と時間については、将来K's Rose Gardenの方で "イギリスカン
トリーサイドを旅して − 美しい村々と珠玉の庭を訪ねて”で書きたいと思っています.
  
  前置きが長くなりましたが、大好きなイギリス、そして育て始めて12年たった我が家
の、そしてイギリスで出会った薔薇たちへの愛を込めて、手作りの小さなローズガーデン
のある私たちの今の住まいをたとえ戸建ての1軒屋ではなくても、Rose Cottageと名付
け、ガーデンとそこを訪れる小さな生き物達への愛着を持って暮らしてきたのは私たち2
人にとってしごく自然な事でした.
ですから、薔薇好き、イギリス好きが高じて、2002年5月に薔薇柄とヴィクトリアン雑貨
を中心としたハンドメイドのイギリス雑貨のショップを開くに際しても、我が家の延長でそ
のままお庭で咲く優しい薔薇の香りまでできることなら感じてもらえたらと願い、私たちの
小さなハウスの名前であるRose Cottageとそしてイギリスカントリーサイドに対する愛情
と憧れから、他ではまだ使われていない名称として"English Rose Cottage"をローズガ
ーデンサイト併設のショップ名として用いることにし、オープン致しました.

  一度お伝えしたかったこと、ショップ名をEnglish Rose Cottageと名付けたいきさつを
イギリスへの想いを込めて書き綴ってみました.今後とも、イギリスのカントリーサイドの
小さな村を訪ねて巡り合えるようなハンドメイドの優しい雑貨を中心に、ご紹介してゆき
たいと思います。
どうぞ、末永くよろしくお願い致します。

訪れてくださる皆様へ心から感謝を込めて
                                                    
  2002年の薔薇のシーズンに

                               English Rose Cottage
                               (イングリッシュローズコテージ)
     及川眞人 & 薫          
 

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