イングリッシュローズコテージの小さなお庭


Garden Essay - 小さなお庭で見つけた幸せ
 
2002年05月30日
5月の幸せー小さな庭で

   春を謳歌する大好きなスパニッシュビューティー
 

  去年まで,2本の連続アーチにはスパニッシュビューティとニュードーンが手前側のアーチと奥とにそれぞれ2本ずつ入っていましたがニュードーンの生育があまりにも旺盛で,伸びすぎてアーチの中に収まらなくった枝をアーチの出口から立てたホワイトフェンスに誘引していました。それでも収まりきらなかった枝はスパニッシュビューティのつるの上に覆い被さるように,ぐんぐん進出してきた為,鋭い刺を持つニュードーンからスパニッシュを守るために,思い切って冬の間に強剪定し、広いお庭を持っているお友達のおうちに養女に貰っていただきました. 



2本のアーチを占領できるようになり,陽光もいっぱい当たって,すくすく,おおらかに若枝を伸ばせるようになったスパニッシュビューティは、今年、大きな花弁をたわわにほころばせ,とっても嬉しそうで、ほっとしました。

...そして、もう5月も終わろうとしています.薔薇の一番美しい5月なのに、ショップのオープン準備etc.に追われていて、ちっともガーデンエッセイを書けないでいました。4月の中旬から咲きつづけていたつる薔薇スパニッシュビューティーもすっかり咲き終わり、咲きがら摘みをした枝先から新しい若葉が芽をぐんぐん伸ばし始めています。ちょっと目を離していたすきに、殺虫用の農薬を一切使わない我が家の庭は虫達のパラダイスとなってしまっているみたいです。

  G..W.が終わったあと、梅雨入りしたかのように降り続ける長雨のために、あまりお庭のチェックができないでいたこともあって、気が付くとぐんぐん伸びたレモンバームやミント類は春に訪れた美しい蝶たちの産んでいった卵が孵って、芋虫君たちが毎日、花壇のハーブや草花達を、食べ放題のサラダ・バイキングのように利用しているようです。しかも入場無料&時間制限なしなのですから、とどまることを知らないその旺盛な食欲で、毎日もりもりと食べ尽くさんばかりで、葉は皆、穴だらけになっています. 5月の始め頃、たまたま目に入っているのを見つけては(薔薇の葉の裏側に産卵するので、5月に入り、葉が茂みを作るほどに茂ってくると、もうお手上げなのです.)ティッシュで取っていたヨトウムシの卵もきっとどっさり孵って、そのうちあちらこちらで、見つけられると一目散に逃げようとする,幼虫達のパラシュート部隊を見かけることになるのでしょう. 虫君たちの話を始めると何ページも書き綴ってしまいそうなので、この辺までにして、薔薇たちの話に変えましょう.





  気温の上昇するのがあまりにも早かった今年の春、きっと薔薇を育てていらっしゃるおうちではどこのお庭でも例年にない早い開花にびっくりしたことでしょうね。K's Rose Gardenでもスパニッシュビューティに続けとばかりに、4月10日には早くもブルボン系のオールドローズ、ルイーズ・オディエやスーベニール・ド・ラ・マルメゾンがすらりとした姿勢の良い黒花フウロ草と一緒に咲き始め、イングリッシュ・ローズのアンブリッジ・ローズの甘い香りと共に私たちを喜ばせてくれました。硬く閉まっている薔薇の蕾が気温の上昇と共に日毎に大きくなって色づいてゆき、あんなに堅く、緑の顎にしっかり包まれていた、蕾がある日、ふっくらと優しいパステルカラーの芳しい蕾に変身し、ある朝、朝露を含んだ透明感のあるソフトで繊細な花びらをほころばせて、お庭を見回る私に「おはよう!」と挨拶してくれるのです。 薔薇を育てていらっしゃる方はその幸せな朝の瞬間を知っていらっしゃるでしょう?

   そして、序曲からクライマックスへと日毎に変化してゆくこの季節、子供のときから大の空想好きだった私は薔薇の中に住んでいるフェアリーたちが薔薇たちの開花を助けようと、夜明け前一生懸命働いているに違いないという空想に浸ってしまうのです.
 
  「早く!早く! 明日は良いお天気でぽかぽかの一日になりそうよ.急がないと夜が明けてしまいそう. 早く!」、そう声を掛け合いながら、それぞれ麺棒を持ったフェアリーの子供達はまるでパイシートを伸ばすように,薔薇の花びらを1枚1枚, 破けないよう、とっても気を付けながら,薄く,薄く伸ばしてゆきます. 香りの良い美しい花びらを1枚伸ばすと,次の1枚へと移り, 夜が明ける頃には、日の出と共に,美しく開けるよう,心優しいフェアリーたちは大忙しで働いているのよ. きっとそうに違いないの.そう考えたら楽しいでしょう?

ここから先は5月のK's Rose Gardenの様子を画像から楽しんでいただけたら,嬉しいです.


        

pekoちゃんが日課にしている草花達の咲きがら摘みをちょこっとだけ,お手伝い.
普段はお世話の担当が薔薇(私)と草花(pekoちゃん)とに分かれているのです.



ニュードーンがなくなって,寂しくなったホワイトフェンスに今年は8号鉢で育てているファイルフェンブラウを誘引してみました.別名ブルー・ランブラーとも呼ばれているこの薔薇は赤紫に独特の美しいブルーが入り,大好きな薔薇の一つです.

 1年中,咲き続ける可愛らしいアンブリッジ・ローズ。1日中甘〜い香りを放って.
         




連続アーチの出口の右側の足元近くにひっそり咲く可憐なバレリーナ。
           
        

   例年より薔薇たちにちょっと出遅れて花穂を開いたミルク色のジギタリス。.
薔薇らしいエレガントな香りのラ・フランスと。


        

5月も下旬が近づき,ブン太郎の活躍により,ブルーベリーもたくさんの実を重たげに膨らませているので、夏の収穫が楽しみです. 日当たりが悪いため、開花の一番遅い奥のホワイトガーデンの白薔薇たち(アイスバーグ,グラミスキャッスル,他)がここに来てようやく今シーズンのピークに向かっています.
強い雨に何度も打たれ,清楚で美しい純白のドレスのしみが取れなくなってきて,かわいそう。

    

 

    


一番花のシーズンも終わりに向かい,遅咲きのヘリテージが、イブリンとともにベンチに座る人をその芳しい香りで,幸せにしてくれます.



                  

       バスケットに5月の幸せをいっぱい摘んで...

   





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