イングリッシュローズコテージの小さなお庭


Garden Essay - 小さなお庭で見つけた幸せ
 
2002年06月30日
大好きなSouvenier de la Malmaison
  - 梅雨空の下で


  どんよりと曇った6月の空の下,降り続く雨の中,Bourbon系のオールドローズ、Souvenier de la Malmaisonが、パウダーピンクの優しい色合いの2番花を,次々と開かせています.
開き始めはエレガントなお姫様のような雰囲気でちょっとモダンローズを思わせる開き方ですが、 開くに従い、ティッシュのように繊細な花弁を渦巻きのようなロゼット型に開き,中央にボタンアイを覗かせるオールドファッションの美しい衣装をまとい,うっとりするような良い香りを放ちながら、私たちをお庭へと誘います.

          
         開ききった姿はこんなに可愛いの! 中央のボタンアイもとっても素適ね.

  強い雨に当たってつぼみがしみてしまうと腐って開けなくなる,繊細なスーベニールにとって、降り続ける梅雨のシーズンは本当につらいのに、...幾度も幾度も開きかけた蕾を茶色くしみたボウルとなって終わらせながらも、くじけずに次の新しい蕾を今度こそ,晴れた日に開かせたいと,希望をもって健気に頑張っているの.1年中,休む間もなく,蕾を付け続けるので、うどん粉にかかりやすい弱点があるとはいえ,本当にBourbon系のオールドローズの中でも、特別な頑張りやさんで、pekoちゃんと感心しているのです。 こんな繊細な花弁を持つ子にはとりわけ,いとおしさを感じずにはいられません.
  
  今年は私がショップを始めたこともあって、例年と比べて,本当にお世話が十分にできず,木酢液をあげる回数もぐんと少なくなってしまっているし、1番花の後のお礼肥えも、いつもなら5月下旬にはあげているのに,今年は何と1ヶ月も遅れて昨日ようやく,あげたのです.お腹がぺこぺこだったでしょうに、本当にごめんなさい!を薔薇たち,皆に言っては謝りながら与えたのですが,薔薇たちは私のお世話が行き届かなくとも,しっかりと大地に根を張り,地中深くから養分を吸い上げては,こんなにあどけない表情で咲き続けて,私たちに幸せを与えてくれるのです.
             
    スーベニールの向かい側でぽつんぽつんと2番花を開かせるLouise Odierも同じBourbon roseの仲間です。

    薔薇たちの足元でひっそりと咲いているラベンダー・ブルーの美しいゲラニウム。ゲラニウムが大好きで,長野や福島を旅行した際,ハーブ園やガーデンセンターに立ち寄っては,小さなポリポットに入って売られている小さな赤ちゃん苗の中から,少しずつ気にいった品種を選んでは大切に連れて帰ってきました。その子達が今では大地にしっかり根を下ろし,冬を越すたびに随分大きく成長して...。名前を覚えたくて,品種を書いたラベルを挿しておいたのに,我が家の庭は嵐が丘.強風や雪や台風,雨で気が付いたら,どこかに吹き飛んでしまい,なくなっているものばかり.この子の品種名もわからなくなってしまいましたが、ともかくゲラニウムが好きです.特にデルフィを思い出させるグラデーションのあるラベンダー・ブルーの子と,真っ白なゲラニウム・アルバムがとりわけ好き。

       

      鉢で育てているブラックベリーも,毎日少しずつ色づいてきました.
そして、ホワイトガーデンがひと時ブルー&ホワイトガーデンとなる6月の主役、大好きな紫陽花。 白から優しいラベンダーブルーに変わった後,アンティークな雰囲気の赤紫を帯びたアンティークピンクに色変わりして,梅雨でどんよりと曇ったお庭を明るく彩ってくれる貴重な存在です.
              

  今年の梅雨はいつごろ明けるのでしょうか?
梅雨明け宣言と共に,薔薇たちにとって1年でもっとも厳しい亜熱帯アジアの猛暑の夏がやってきます。 5月から10月まで,毎日殆ど15℃〜20℃で、時折シャワーのような優しい雨の降るイギリスの薔薇たちは本当に何て幸せなんでしょうね。
   





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