イングリッシュローズコテージの小さなお庭


Garden Essay - 小さなお庭で見つけた幸せ
 
2002年12月31日
お庭の大掃除と薔薇の元肥入れ
     
 (このページのおしまいの方に冬の可愛いお客さま、ヒヨとメジロ君の画像をupしています。
  1年のたつのはなんて速いのでしょう! 暮れになるといつも矢のように駆け抜けていった今年を振り返る間もなく、ボウボウに伸びきったお庭の薔薇たちの冬のお世話に新しい年の来るまでにタイムリミット、あと2日、間もなく眠りに入る薔薇たちが春を夢見ながら、体力をしっかりつけて元気に冬眠期間を過ごせるように、 十分な元肥を与えなければ。 28日までショップの最終発送でバタバタしていたため、今年も年末ぎりぎりの駆け込み作業となりました。

  12月30日、まず元肥を入れるための溝を掘る前に、薔薇たちを1本1本、ざっと仮剪定してゆきます.長く伸びきった枝が冬の北風に揺さぶられて、せっかくこっくりこっくり眠りにつき始めた薔薇たちがたたき起こされてしまうことのないようにね。 それにざっと短く剪定しておくと不意に積もった雪の重みで枝が折られる心配もしなくて済むので、安心です. 

  仮剪定した枝をゴミ袋に詰めやすいよう、さらに剪定はさみで短くカットしながら、レンガの通路に落としてゆきます.私のすぐ横で、pekoちゃんは花壇に落ちている枯葉を丹念にはき集めながら、レンガの上にたまってゆく切り枝と共にゴミ袋に詰めて、リレープレーでお手伝いしてくれます. 老化して木質化した枝や小枝を落としながら、枝という枝全てにはさみを入れるので、結構、大作業です.黙々とはさみを入れ、50本の薔薇たち皆の仮剪定が終わる頃には、12枚の大きなゴミ袋いっぱいになり、パンパンに詰まったゴミ袋君たちがお庭の片隅で山積みとなっています.(昨年までは今年延びた綺麗なグリーンの若枝を捨てる事がかわいそうでどうしてもできなくて、15cmくらいにカットしては鹿沼土に挿して、挿し木苗を作っていたのです.品種別に色を変えたリボンをつけて、あとでブレンド土を入れた5号のポリポットに植え替えて、差し上げるとき、分かるように...。 でも成長して、欲しい方に差し上げられるまでに半年近いお世話が必要なため、多忙を極めている今年からは残念ですが、やめることにしました。)

  朝から始めて、気が付くともう太陽が西にかなり傾き始めています.冬至を過ぎたとはいえ、日の沈むのはまだまだ早くて、つる薔薇の剪定・誘引という大作業は明日にして、日没までの残り時間はダッシュで行う元肥作業にあてることにします。 
本によって、薔薇の元肥の仕方はいろいろな方法があります。 50cmくらい離れたところに30cmくらい深い穴を掘って、そこに肥料を埋め込む仕方が一番ポピュラーでしょうか?
私の場合、なるべく簡単にかつ効率的にを考えて、株回りに大きく円を描き、円の外側に15cmから20cmくらいの深さに溝を掘ります.
      

この時、横に伸びている薔薇たちの細根をどっさり切る事になります(根切り)が、かえって新たな根の成長を促す事になり、一石二鳥です.そして溝のなかに、1本につき、発酵油粕200g, 骨粉200g, 硫酸カリ30gをさーっと全体に平均しながら入れ、小さ目のバケツ1杯分の発酵牛糞を加えながら、掘り上げた土も戻しながら、溝部分をよく全体に混ぜつつ、すきこみます.多少、根に当たっても外側の土とよく混ぜ込めば、冬のこの時期はあまり心配しなくて大丈夫です.
 

 
特に冬に幹を固くする硫酸カリは微小とはいえ、単独での使用には向かないため、他の有機肥料としっかり混ぜ込みます. ここで活躍するのはイギリス製のスコップ君と共に私にとって大切なお助けマンであるやはり生粋のイギリス生まれのダッチホー君です。イギリス製のスコップ君にはいつも苦労をかけるので、今や柄も途中で曲がってしまい、深いキズが一杯ついてしまって...。 本当にごめんね。ねぎらいのご褒美を考えてあげなくてはね.
     
  ダッチホー君は本当にとても役立つ優れものなので、薔薇花壇をもっていらっしゃる方には是非1本お持ちになることをお奨めします. これさえあれば、元肥のすき込みや追肥のすき込みは勿論、雑草取りも何のその。 花壇の奥で入れないところの雑草も長い柄を差し入れて、楽チンに根っこごとググッと取れます.

  元肥のすき込みが済んだら、さらに薔薇1本につき、バケツ1杯分くらいの牛糞を株元に毛布をかぶせるようにたっぷりとかぶせます. そしてたっぷりのバーモントドリンク(と我が家では呼んでいる200倍から300倍に薄めた木酢液)をジョーロで、こんもりとかぶせた牛糞の上から薔薇たち1本1本にたっぷりと与えて、染み込ませて、そうして、冬の元肥は完了です。牛糞の温かな発酵毛布をかけられた薔薇たちは嬉しそうに、ぬくぬくと温かく元気に冬を過ごし、根が元気に発育します.
                          
 鉢薔薇の場合、1年に1度の土替えは元気に育つためにどうしても欠かせません.とかっこいいことを書きましたが、実は今年はどうしてもタイムリミットでスケジュールが多忙すぎて、ごめんなさい。今年だけは上の方の土を1/3くらい取りかえる簡素化になりました。今年だけ我慢してネ!と謝りながら、牛糞だけはやはり山盛りに与えます.
これまで毎年行ってきた鉢の土替えの場合、使う肥料も地植えと少し異なる配合で行います.
絶対にこれでなくてはという決まりはないので、いろいろな配合が本によって、様々に紹介されていますが、薔薇のコンテナ栽培を始めた12年来、毎年決まった方法で、土替えしてきました。
我が家のワンパターンですが、ブレンドの配合はどのようにしていますか?と時々、メールで聞かれることがあるので、この機会にご参考までにお知らせしますね.

<8号鉢の配合>
赤玉大玉(底土用に)
ブレンド用培養土の配合 赤玉小土 6 : 牛糞又は荒めのカナダ産ピートモス 4
熔成燐肥 50g (10号鉢の場合、100g)
骨粉 50g (10号鉢の場合、100g) * 焼成骨粉の場合、半分の量でよい。

* 狂牛病が社会問題となってから、骨粉を手に入れるのはとても難しくなり、近くの農協でも販売を中止したので、今年はホームセンターで熱処理をしてある焼成骨粉を何とか見つけました。

* 鉢植えの薔薇が休眠に入る12月中旬から遅くとも1月中旬くらいまでに行います.
 
1.薔薇を鉢から抜き、ざっと上部を仮剪定し、葉を全て摘んでしまいます.(細根をしごいて取り、休眠させるため、地上部分と地下部分のバランスを取るために、仮剪定し、葉を取ることにより、薔薇が眠りやすくなるようにします.)
 * つる薔薇の場合、細根を全てしごくと春の花付きに影響する場合がありますので、気をつけましょう! (Ex. つる薔薇スパニッシュビューティー、アイスバーグをコンテナで育てていたとき、細根をしごいて落とし、根っこを洗っても春の花付きは抜群に良く、かえってとても元気に生育しましたが、同じことつる薔薇、ブルームーンで行った場合、花が僅かしかつきませんでした.HT系のつるの場合、回りの土を1/3位取り替える程度にした方が良いようです.)

2.株の土を落とし、細根をしごいて取り、水を張ったバケツに根っこごと薔薇を入れて、さっと根を洗い、病気がないか、チェックし、用土を準備するまで、いったんバケツの水につけておきます.(この時、病気のある根を見つけたら、元からしっかり切り取ります.)

3.鉢底に水はけ用に赤玉大玉を2cmくらい敷き、上記のブレンド土を肥料と共によく混ぜ合わせて、1/3位コンテナに入れ、山高にしたところに、薔薇の根を広げて入れ、上から残りの培養土をたっぷり入れ、隙間のないようにバーで突きながら、中までしっかり土が入るようにします.(鉢のうえにお水を入れるためのウォータースペースを確保するよう、何cmか残します。)

4.さらに土の表面を牛糞、又は腐葉土でたっぷりマルチングし、鉢の下から流れ出てくるまで、たっぷりのバーモントドリンクを与えて、おしまい. (マルチングは春になったら、虫の温床となることを防ぐ為、取り除きます.) 冬の間の水遣りは10日から2週間に1度くらい鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えれば、大丈夫です.

     
 誘引の済んだつる薔薇の下で、ヒヨ君は時折、顔を上げては、何を考えているのかな?

  薔薇たちの元肥のあと、翌12月31日はつる薔薇の剪定と誘引です. ニュードーン2本とスパニッシュビューティー2本の計4本がアーチに絡めていたときは、鋭い刺をもつニュードーンがあちこちから長くて太い枝を伸ばし、本当に刺を一杯もった怪獣と格闘しているかのように、大変な誘引作業で、皮手袋をはめていても、腕まで刺が突き刺さり、傷だらけになって、血を滲ませながら、下敷きになっているしなやかなスパニッシュの枝を助け出すために、1日以上かかる大変な作業が必要とされたのですが、昨年の暮れに限られたスペースを超えて、大きく育ちすぎるニュードーンを2本とも大きなお庭を持つお友達に養女に出したので、今年の作業は何と楽に感じたことでしょう。

  来年の5月に素適なフリルのお嬢さんに会えるのを楽しみに、新しく伸びたシュートを1本1本アーチに誘引してゆきます.そうしている間も向かいの雑木林からヒヨドリたちがやって来ては、「まだやっているの〜?早く終わりにしてお部屋に入ってよ〜! もう日が暮れちゃうよ.僕たち夕飯のバナナと柿を食べたいよ! お部屋に入ってくれないとご飯が食べられないよ!」と、訴えています. 小鳥のレストランはアーチの中に開店中なのです.

  私たちがちょっと部屋に戻ると大急ぎでやって来ては柿とみかんをついばむ可愛いお客さんです。 ついばんでは急いで回りを見渡して、だって欲ばりんぼのヒヨに見つかると追い払われてしまうのですもの。
夫婦でやって来ては交代で1羽がアーチの中で見張りをし、その間にもう1羽が大急ぎで食事をし、いつでもつがいで仲良しです.
   
      「オイチイナ〜」
         
ごめんね。ごめんね。もうちょっとだから、待っていてね.急いでやっているからね。
去年まで使っていたバードフィーダー用の大きな陶器のお皿が割れてしまったので、今年は小さな小鳥用のフィーダーしかぶら下がっていないので、体の大きなヒヨにはつかまりにくくて、それもちょっと不服のようです. 明日からお正月だし、ヒヨ君たちにも何か素適なプレゼントを考えてあげなくてはね. 
    
    体の大きなヒヨはバナナが大好き! どうしてそんなにバナナが好きなの?と聞いてみたら、ヒヨ君が言うにはバナナは食べてすぐにエネルギーになって、元気になれるんですって!

   





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