イングリッシュローズコテージの小さなお庭


Garden Essay - 小さなお庭で見つけた幸せ
 
2004年08月03日
 6月のお庭での悲しい事件
小さなお庭では、いつもさまざまなドラマが繰り広げられています。

5月のある日、低気圧に吹き飛ばされた枝先を剪定しながら、薔薇たちの見回りをしていたら、シャリファの5枚葉の裏側で子育てに忙しいお母さん蜂を見つけました。

ざっと剪定するはずだったシャリファのその枝はそのままにして、お母さん蜂の子育てを見させてもらうことにしました。 一生懸命作った可愛い蜂の巣にやがて卵を産んだのかしら?
かがみこんで見てみると、中に幼虫らしきものがいる気配がします。
お母さん蜂はひと時も巣から離れません。一日中、巣に付きっきりで何かしています。

そのうち、気が付くと、巣に玉子焼きのような黄色い蓋が付いているので、びっくりです!
幼虫がさなぎになって、蓋をしているのかしら? きっとさなぎとなった子供たちが害敵に入り込まれて、食べられてしまうことがないよう、ふさいだのですね。 お母さん蜂は見たところ、足はそれほど長くないのですが、全体の雰囲気は足長蜂の一種のようです。
        

      

          

 5/29の朝、竜巻君の被害で痛んでしまったバラたちを助けるために木酢君のスプレーをした日のことです。 子育てに忙しくしているお母さんがじっと私の目を見て、警戒態勢の雰囲気です。「シャリファにはスプレーしないから、心配しなくて大丈夫よ!」と話しかけて、お母さんと子供たちの入っている巣にはスプレーがかからないよう、よく気をつけながら、隣のバラにスプレーして、バラたちを巡回していました。 お母さん蜂は片時も動くことなく、静かに私の様子を見ているようでした。

そして、翌朝、お庭に出てみると、蜂の巣にお母さん蜂の姿がないのです。
木酢君のスプレーに身の危険を感じて、子供たちを置いたまま、行ってしまったのでしょうか? お昼になっても、午後過ぎてもお母さん蜂は戻ってきてくれませんでした。
心配しないで、巣にはかけないから、大丈夫って、あれほど言ったのに、わかってもらえなかったみたいです。 巣の中にいる子供たちは、お母さんなしで生きていけるの?

夕方、西日の差し込めるお庭で、巣から可愛いお顔を除かせている赤ちゃん蜂を見つけました。
6匹のちびっ子ギャングのような可愛い蜂の赤ちゃん幼虫をご覧になってね。
皆サングラスをかけたお兄さんみたいでしょう? あんまり可愛くて!!


     
アリや他の虫たちが下から上がってきて、赤ちゃん蜂が襲われてしまったら大変なので、枝の上にガムテープを、外側がべたべたになるようにして、巻きました。


待ち続けても、帰ってこないお母さんを呼んでいるようで、体を精一杯、伸び上がらせて、巣から落ちんばかりにお顔を出している赤ちゃん蜂を見ていると、不憫で心が痛みます。

お母さんのいなくなった赤ちゃん蜂には何を食べさせたら、良いのでしょう?
青虫団子? でもお口も一文字に結んでいて、開いてないし、どうやって食べさせたらよいのでしょう?

道端にミミズが歩いていても、こんなところ歩いていたら、干からびちゃって死んでしまうよ!っていつも救出して、草むらに投げてあげる心優しいpekoちゃんの登場です。
pekoちゃんが言うには、「蜂の子だから、ハチミツをあげて、育ててみようよ。」

かくして、pekoちゃんは爪楊枝の先に、ハチミツをつけて、それから毎日、1日2回、サングラスをかけた子供たちの口元にハチミツを押し付けて、(食べているのかどうか、よくわからないのですが、赤ちゃんは口元をムニュムニュさせて、少しは食べているように思えました。)...。


      

             
pekoちゃんが一人の子にハチミツをあげていると、隣の赤ちゃんも伸び上がってお顔を出してくるので、私にもちょうだいね。と言っているみたいなの。
雨の日も、お顔をびしょびしょにぬらしながら、赤ちゃんたちは出てきます。




  それから2週間、お母さん蜂が行ってしまった5月30日から2週間近く、毎日2回、サングラスの赤ちゃんたちとの楽しいハチミツタイムを過ごしました。

  そして、最初の悲劇の起きた6月11日。 
朝、ハチミツをもって巣に行ったところ、6匹いた赤ちゃんが3匹しかいないのです。
どうしたんだろう? あんなに落ちそうに伸び上がって、顔を出していたから、巣から落っこちちゃったのかな?と周囲一帯を探してみても、赤ちゃんはいません。

赤ちゃんたちとのハチミツタイムが急に3匹に減って、とっても寂しくなりました。

それから3日目の6月14日。 ガムテープで防御していた巣が強盗に襲われたのです! 3匹の赤ちゃんはさらわれて姿がなく、黄色の玉子焼き蓋のついたさなぎの子達にも、蓋に穴が開けれらて、侵入されたあとがあり、残った巣の残骸には、小さな茶アリがいっぱいたかっています。

お母さんがいたら、きっと守ってくれたのに。 お母さんなしで、健気に一生懸命、生きていたのに、守ってあげられなくてごめんね!! ごめんね!! 
枝を切って、家の中で育てていればよかったのにと、後悔しても遅すぎて、...。
とっても悲しい日となりました。

翌日には命のなくなった壊された巣から、もうすぐ飛び立つはずだった蜂の赤ちゃんの足が飛び出していました。


お庭の花壇では、こんな恐ろしい強盗事件の起こったことなど、知らないバラたちが時折、降る雨の中でも楚々と、咲き続けていました。



               

   



  6月も中旬から下旬に向かう頃、ハーブの六角花壇ではオレガノの花がほころび始め、白樺の根元では、ギボウシが大きく葉を茂らせ、美しい清楚な白花を咲かせ始めていました。 


      
   





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