イングリッシュローズコテージの小さなお庭


土壌改良のやり直し&ホワイトフェンス作り
  1999. 晩秋 〜 冬
  竜巻君に襲われる前、5月のシンフォニーが始まってすぐの頃をもう一度回想してみ
ました.
 

  (奥の雑木林から撮影)すり鉢上にお庭は下がっていて、地下1階のような感じです.
 
  気持のはやるままに色々植え込んだ花壇の何てにぎやかだったこと。
梅雨に入り、うっとおしいシーズンを過ごし、夏もたけなわに向かう頃、薔薇を除く宿根草
やラベンダーetcのハーブたち皆に元気がなくなっていることに気が付きました。

 有機肥料に加え、腐葉土をあれだけたっぷりすきこんでいるのに、どうしてなんでしょ
う。 気になってそっと根元を大きく掘り上げてみると、根がちっとも成長していない! 
薔薇の花壇を作る時、ゴールデンバークと赤玉を加えて団粒構造となるよう、あれほど
気を使ったつもりなのに、梅雨で水分をたっぷり含んだ土はまだまだ粘土質の方が強く
て、水をさらさらと通せないため、根を伸ばす事ができず、粘土の壁に挟まれ、梅雨時の
多量の雨水にアップアップして、どうやら酸素も取り入れられず、「早く助けに来てー! 
ぼく達死んじゃうよー! 酸素ボンベが欲しいよー!!」と土の下で叫んでいるようなの
です.
それにいつも吹き抜けるビル風の影響で根元近くの枝もぐらぐらしています。

  さあ、どうしましょう。 手持ちの園芸書を調べた上で、園芸に適しているのは手でぎ
ゅっと握ったとき、お団子にならず、ほろほろっと崩れる空気をいっぱい含んだ土だとい
うことは分かっているけれど、車の入る庭なら、庭土ごとごっそり軽トラックか何かで、入
れ替えることも可能かもしれないけれど、右左に四角い専用庭がずらりと続くマンション
の専用庭ではそんなことできないし。 花壇を作るとき、あれほど大量のバーグと腐葉土
を入れたのに、空気を含ませるにはどうやらもっと別の方法でないとだめのよう。

  図書館に行き、いろいろ調べたところ、砂もしくはパーライトをたっぷりすき込むと良
いということが分かり、次の休みの日に早速、近所のホームセンターへ向かいました.
砂もよいけれど、パーライトの方がずーっと軽くて、土がふわふわになりそう。
でも5Lで\300もするということは、本で推奨している割合を4つの花壇全部の面積で計
算すると、かなりの量が必要だし、もっとお徳用の大袋で買えないものかしら? ...思
い切って販売元と思われた三菱金属(だったと記憶してます。)にお電話してみました.

 「パーライトを作っているのはうちではなくて、日本林業さんだけど、大袋は一般の小売
はしていなくて業者にしか下ろしていないと思うので、そうだねえ。うちから紹介されたと
言って話してみると、分けてもらえるんじゃないかな。ぼくの名前を言って頼んでみてごら
ん。」との言葉に励まされ、土壌改良材、緑化用資材専門の大御所、日本林業肥料株式
会社にお電話してみました。 お電話に出てくださったNさんはとても礼儀正しい親切な
方で、私が庭の粘土質の改良がうまくいかず、ぜひパーライトを大量に購入させていた
だきたい事をお話すると、とても親身に相談に乗ってくださり、庭の花壇の合計サイズを
考えると、一概には言えないけれど、5〜7体(最小単位の1体は100リットル入り)くら
い使って、有機質と一緒にもう一度土壌改良すれば、随分改善されるのではないかとの
うれしい提案です。パーライトも粘土質用、砂状土用、砂質用とサイズが3つあり、うちの
庭の場合は通気性が一番よい粘土質用のネニサンソ1号(ネーミングもなるほどと頷い
てしまいました.ネニサンソ、つまり”根に酸素”を与えるための改良材なんですね.)を
勧めてくださいました.

「1対100Lはお相撲さんのように大きいから、量が多いと、使うまで置いておく場所がか
なり必要だけど大丈夫ですか?」と心配までしてくれる気配りも嬉しくて、早速7体(700
L)を注文しました.
パーライトは真珠岩を焼いて砕いたものなので、気泡がたくさんあり、庭土と混ぜて手で
おむすびを作ってみると、はらりとこぼれて、うれしい!目指す団粒構造!?になりそう
です。 お団子になりません。
今度こそ期待できそう。 強力な救世主の登場に気持も前向きになります。

 仕事から帰ってきたpekoちゃんはお部屋を占領しているネニサンソ1号の山積みの大
袋を見て、びっくり!
「えっ!本当にこんなにすごい量要るの? 花壇があふれちゃうんじゃない? どうやっ
て入れるの?」と早くも不安そう.
「少しずつ漉き込めばきっとだいじょうぶだと思う。」と私. そして日本林業さんの写真
入パンフレットを見せて、芝生をパーライト入りの土壌とパーライトの入らない土壌の両
方に植えた場合、その後、根の生育にどれほど違いが起きるか、ゴルフ場の青々と茂っ
た元気な芝生の写真と、あまり元気でない芝生の写真を見比べてもらいました。まるで
日本林業の営業部の社員のように力説して説明し、冬になって、植物たちが休眠期に入
ったら、薔薇以外の全ての宿根草を抜いて、花壇の土を50cmくらいの深さで全体的に
掘り起こし、パーライト(とバーグをもう一度)入れる土壌改良計画への協力に賛同しても
らいました.

 12月に入り、植物を土ごと大きめのポリポットに堀り上げたあと、大量のパーライトと
バーグ、腐葉土と奮闘した私たちは上階から見下ろしたら、まるで格闘しているかのよう
に見えたことでしょうね.(すき入れても、すき入れても、発泡スチロールのように軽いパ
ーライトはフワンと上に表面に飛び出てしまい、二人とも顔も体もパーライトまみれになっ
た一日でした.) いつも一番大変な作業の時はカメラを取ることをすっかり忘れてしまう
ので、写真が何もなくて...。

 でも、頑張った甲斐あって、翌年からの植物の成長振りの良いことといったら!
薔薇の丈を越えるほどの勢いで育つ子も出るほどに根の生育が改善されました.
植物達にとって、根っこは元気に成長するために一番大切な部分なのですね。

 その年の暮れには、憧れの白いフェンス作り。

 お庭の中に1枚ロマンティックな雰囲気の壁となるフェンスを立てて、お隣との間に心
理的にプライベートな境界をつけたくて....、大工仕事の得意なpekoちゃんに外国の
ガーデン雑誌で見たイメージを伝えて作ってもらい、私がペンキを塗って仕上げた共同
作品です.キットを使わず、行きつけのホームセンターで木板を購入し、手間を省くた
め、上の部分だけアイスキャンディーのようにカットしてもらいます。そうして持ち帰った
板材を、pekoちゃんは設計図どおりに、鉛筆で印をつけては繋げ合わせてゆきます.
両側のポールは高めに作って、上に飾りのポールをつけましょう.

  
 アーチの上でぼうぼうに伸び過ぎて行き場をなくして、途方にくれて空中でぶらぶらさせ
ている生育旺盛なつる薔薇ニュードーンの伸びすぎた枝を誘引してあげたくて.
       

   (アイスキャンディーのバーを並べたみたいなフェンスです.)

 

 お庭の奥には色々検討してはなかなか気に入ったものに出会えなくて決まらず、何ヶ
月もかけて探した末にやっと決まったオーストラリアン・レンガが500個積まれていま
す.10月に購入して、マンションのホール前まで配達してもらってから、2人で1個ずつ
手積みで台車に25個ずつ乗せては、共同廊下を通って部屋まで運び込み、そこでいっ
たん玄関に下ろして積み直したあと、次に家の中を通過するためにpekoちゃんが作っ
た”特製トロッコ”に乗せ替えて、玄関からキッチン、リビングを通って、ベランダまで運ぶ
死にそうにハードな第二ラウンド、そしてベランダからまたリレー式に1個ずつ手渡しで
庭に下ろし、庭の奥まで台車で少しずつ運んでは、パレットの上に積んでゆく、第3ラウ
ンド、ここまでで、口もきけないほど、体力を消耗し切ってしまい、...お休みの日が2
人とも仕事その他のライフワークもあって多忙なため、なかなか取れないこともあり、実
際、取り掛かれるのが、一体いつになることやら...。 結局翌年の3月まで半年間も
積みっ放しとなったこの年の冬でした。 (作業を始めてから、足りないことに気が付き2
00個追加したので、合計700個となり、リレープレーでお庭まで運び込んだレンガの重
量は何と1.4tになりました。)

    

 

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